前回、アーク溶接機の選び方をお話させて頂きましたが参考になったでしょうか?
個人的には初心者の方にお勧めな家庭用半自動溶接機の話をしたいと思います。
半自動溶接機ってなに?
半自動溶接機とは溶接棒ではなくワイヤーを使う溶接機。アーク溶接では溶接棒を使用するのに対し半自動溶接機ではワイヤーを使います。トリガースイッチを引いている間自動でワイヤーが出てくる為何度も溶接棒を取り換えることがなくなり溶接がより行いやすいのがメリットになります。
アーク溶接に比べてトーチ(溶接する時手に持つ所)を安定させやすく、ブレも少なく出来るので溶接がやりやすいです。
半自動溶接には炭酸ガスやアルゴンガスを使ったガス式と、ノンガス式の2種類があり、ガス式のほうが綺麗に仕上がりますが、ガスの購入や必要な機器類が増えますので家庭で使うならガスが必要なく手軽に使えるノンガス式をおすすめします。
最近種類も増えて選択肢がかなり広がっています。それ故にどれを選べばいいか悩みますよね?
ズバリ!母材(使う材料、特に厚み)によって選びます。
家庭用半自動溶接機は100Vで使用できるものが多いですが、200Vの物に比べパワーが無く、厚い材料は上手く溶接出来ないことがあります。
一般的に商品の外装に書かれている数字、(80,100,120等)が能力を表しています。
100Vだと、30A~120A位、200Vだと30A~200A位です。数字が大きくなるにつれてパワーがあり溶接出来る材料の厚みの選択肢が広がります。ご自分が何を製作するかによって機器選定してください。
と言うのも、使う材料が厚さ1,6mmなのに200Vの上位機種を選ぶ必要はないと思います。逆に厚さ6mmの材料を使うのに80Aの能力の溶接機だとパワー不足です。
《大は小を兼ねる》と言いますが、たしかに上位機種を選べば薄い材料から、厚い材料までカバーする事は出来ますが、ご自分が常にそれだけ違う材料を使うかどうかを考えてから選んで欲しいと思います。
定格使用率なるものがありますが、初心者の方は連続で溶接する事は少ないと思いますのでさほど気にしなくても大丈夫です。
一応聞いておきたいです。
溶接機のカタログには、「使用率」という項目があります。これは溶接機を連続で10分のうち何分使用できるかの目安です。「使用率30%」であれば、10分間中に3分間だけ使用できます、ということを示しています。
溶接機は長時間の使用で本体が熱を持ち、オーバーヒートの原因になります。そうすると、自動的に停止するように設計されています。安全のためにも、使用率を超えない程度に作業するようにして下さい。
私は自分の家庭用溶接機でテーブルや、椅子、車庫、手摺、門扉等多数DIY溶接し、本職でもある為、結構苛酷に扱っていますが一度もオーバーヒートさせたことはありません。
近年DIYで溶接をされる方が増えてきています。溶接が出来ると作れる作品の選択肢がかなり広がります。一定のルールを守り、安全に気を配れば最高の趣味の一つとなるでしょう。
それでは、皆さん溶接をもっと身近に!